この記事の内容
- 『初めてのAIイラスト』シリーズでは、初めてStable Diffusionを利用する方向けに、インストール~画像生成までの基本的な流れを解説します。
- 本記事では、画像生成に役立つおすすめの拡張機能を紹介します。
拡張機能とは
拡張機能とは、Stable Diffusion WebUIに様々な便利機能を追加できる仕組みです。
例えば、Stable Diffusion WebUIにはLoRAやLyCORISのトリガーワードを管理する機能がありません。このため、トリガーワードなどは自分でメモをしておく必要がありましたが、拡張機能であるCivitai Helperを導入する事で、Stable Diffusion WebUI上で管理が可能となります。
Stable Diffusion WebUIには多くの拡張機能が用意されており、初めての場合はどれを導入すれば良いか迷ってしまうかと思います。
また、拡張機能は便利な反面、導入し過ぎるとStable Diffusion WebUIが重くなったり、拡張機能同士が干渉してエラーが発生してしまう場合があります。
そこで今回は、私が実際に利用しているおすすめ拡張機能を厳選して紹介します。
拡張機能のインストール方法
拡張機能のインストール方法は簡単です。拡張機能のほとんどは『github』というサイト上で公開されており、github上のダウンロードURLをコピーしてStable Diffusionに張り付けるだけです。
(1)拡張機能が公開されているgithubのページを開き、以下URLをコピーします。
(2)Stable DiffusionのExtensions→Install from URLを開き、コピーしたURLを張り付けます。Installボタンを押すとインストールが始まり、完了するとボタンの下に「Installed into c:\xxxxx Use Installed tab to restart.」といったメッセージが表示されます。
(3)インストール完了後、Extensions→Installedを開き、Apply and restart UIボタンをクリックしてStable Diffusion WebUIを再起動すると、拡張機能が利用できるようになります。
おすすめ拡張機能
SD WebUI Tag Autocomplete おすすめ度:★★★★★
プロンプト入力時に、入力候補を表示してくれます。スペルミスの防止に役立つのと、様々な入力候補が表示されるため、今まで知らなかったプロンプトを知るきっかけになります。
Civitai Helper おすすめ度:★★★★★
モデルデータ、LoRA、LyCORISのプレビュー画像のダウンロード、トリガーワードの管理など、AIイラストを利用する上で必須な拡張機能です。
この拡張機能を導入することで、以下の通りモデルやLoRAのサムネイルを表示したり、トリガーワードを1クリックでプロンプトに入力することができるようになります。
以下の記事で詳細を解説していますので、こちらも是非確認してみて下さい。
Tagger
画像を分析してプロンプトを生成してくれる拡張機能です。特定の画像を再現したい場合などに、この拡張機能で生成したプロンプトを参考にするといったような使い方が出来ます。
使い方は簡単で、Taggerタブに分析したい画像をドラッグ&ドロップし、Interrogate imageボタンをクリックするだけです。右側に分析結果が表示されます。
Aspect Ratio selector
画像生成時にアスペクト比(画像の縦横のサイズ)を簡単に変更することができる拡張機能です。16:9、4:3、3:2など、よく使用されるアスペクト比をボタン一つで選択できます。
ADetailer
イラスト中の顔や手を自動認識し、修正してくれる拡張機能です。「構図はこのままでいいんだけど、顔だけ修正したいなぁ」といったような時に役立ちます。
利用方法は以下の通りです。
(1)まずはいつも通り画像を生成します。
(2)次にSeed値を固定した上で、ADetailerにチェックを入れます。(Seed値とは、AIが画像生成する際に付与するランダムな数値です。詳細はこちらの記事をご確認下さい。)
(3)ADetailer detectorを選択します。ADetailer detectorは種類が複数あり、修正する箇所に応じて適切なものを選択する必要があります。今回は顔を修正したいので、face_yolov8n.ptを選択します。
顔以外を修正したい場合は、以下を参考に適切なものを選択してください。
モデル名 | 用途 |
---|---|
face_yolov8n.pt | イラスト、リアル系の顔 |
face_yolov8s.pt | イラスト、リアル系の顔 |
hand_yolov8n.pt | イラスト、リアル系の手 |
person_yolov8n-seg.pt | イラスト、リアル系の人物 |
person_yolov8s-seg.pt | イラスト、リアル系の人物 |
mediapipe_face_full | リアル系の顔 |
mediapipe_face_short | リアル系の顔 |
mediapipe_face_mesh | リアル系の顔 |
(4)ポジティブプロンプトとネガティブプロンプトを入力します。今回は目の色を黒に、口を開けて舌を出す表情に修正します。
(5)この状態で再度Generateボタンを押して画像を生成すると、顔だけがADetailerで指定した内容に修正されます。
修正前
修正後
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